京阪自動放送のあれこれ

当チャンネル・当サイトでも度々登場する京阪自動放送。全駅自動放送集も投稿しているため、ご覧になっている方はご存知かと思います。耳にされたことがある方に、こう思われた方はいらっしゃいませんでしょうか。「単純そうで意外と奥が深いな〜。」そうなんです!京阪の自動放送はJR西日本ほどではないものの、付帯放送の奥が非常に深いのです。このページでは、そんな京阪自動放送の奥深さをご紹介していきます。ぜひお楽しみください!!
※このページで紹介している内容は、個人の憶測も含まれており、決して極めて信憑性が高い情報とは断言できません。全ての駅の放送を網羅できている訳ではなく、駅によって例外があったりする場合があります。また、このページ並びに当サイトは、京阪電気鉄道(株)さまとは一切関係ございませんので、同社へのお問い合わせなどは、ご迷惑になりますので絶対におやめください

★このページでは、基本的に「詳細型放送」を取り扱います。

目次

YouTubeにも動画がございます。ぜひご覧ください。

基本情報(はじめて放送を聞いた/聞く方向け)

すでに動画や駅などで放送をお聞きになられた方が多いとは思いますが、念のためどのような放送なのかを簡単にご紹介します。

ここで紹介する「詳細型放送」が使用されている駅は、発車メロディーが導入されている駅で、全18駅あります。特急停車駅を中心に主要駅が多いです。

放送される内容は、「種別」「行先」「両数」「乗車位置」「停車駅」「連絡案内・先着案内」です。

中でも奥が深いのが、最後に放送される「連絡案内・先着案内」で、この記事で深掘りしていく案内です。

実際の放送はこちらからお聞きください。(YouTube再生リストです)

京阪電車 全駅自動放送集 「音鉄のお部屋」チャンネルより ※このページの内容と順番などが異なります。

どこが奥深いの?

ここまで、さんざん奥が深い、奥が深いと言ってきましたが、では実際どの放送のどの部分が奥深いのでしょうか?それは、「連絡・先着案内」です。

京阪では、乗客のニーズに合わせて様々な種別が運行されていて、その数はなんと10種類にも及びます(※2021年9月25日時点、深夜急行を除く)。速い種別から全ての駅に停まる遅い種別まで、多数の列車が頻繁に運行されているため、多数の駅で接続が行われています。そうすることで、普通しか停まらない駅でも、ある程度の利便性が確保されています。ただし、逆に言えば、どこの駅で乗り換えると便利なのか、ということが分かりづらくなるというデメリットも発生します。そこで役に立つのが、この「連絡・先着案内」なのです。この電車はどの駅までは早く着いて、どの駅で何の種別に乗り換えることができるのかということを乗客に案内します。乗客が便利に乗り換えできるような案内を行うので、案内が少々複雑になるのです。今回特に重点的に紹介するのは、「使用される音声パーツ」、「連絡列車の始発駅や行先が案内される条件」です。ここからは、この2点について見ていきます。

「連絡案内」と「先着案内」について (YouTube 2:59〜)

「連絡案内」も「先着案内」もどちらも乗客に早く目的地についてもらえるように、という根本的な目的は同じですが、放送が流れる駅の環境や、ダイヤによってどちらが流れるか法則性がありますので、ご紹介します。なお、「連絡案内」/「先着案内」の直後の●はその理由についての推測です。主に乗客目線で考えています。また、の表記がある場合、YouTube内に実際の音声が収録されています。

A.上位種別が下位種別に連絡するとき (下位種別は発車済み) 
→「連絡案内」が流れます。
●先行の下位種別に乗り換えられるのは、この先の駅であるため。※画像参照

B-1.下位種別が上位種別に連絡するとき (放送駅は上位種別通過) 
→「連絡案内」が流れます。
●放送が流れている駅から、後続の上位種別に乗車することはできないため。※画像参照

B-2.下位種別が上位種別に連絡するとき (放送駅は上位種別停車) 
→「先着案内」が二文セット流れます。
●放送が流れている駅からでも、上位種別に乗車できるが、先発の下位種別に乗った方が都合が良い乗客も存在し、下位種別がどこまで先着するかを案内する必要があるため。※画像参照

B-3a.下位種別が上位種別に連絡するとき (途中で上位種別を退避(=通過待ち)) 
→「先着案内」が流れます。
●放送が流れている駅では下位種別が先発であるが、それに乗ってしまった場合、後続の上位種別に乗り換えられなくなるから。※画像参照

B-3b.下位種別が上位種別に連絡するとき (途中で上位種別を退避(=通過待ち))  
→「先着案内」が二文流れます。
●状況的には、B-3aと同じであるが、途中駅(画像中では、「E」)にある程度の上位種別が停車する場合、その種別を待つ乗客がいるかもしれないため。※画像参照

◆ただし、この案内は守口市まで各駅に停まる区間急行だからこそ流れた、という可能性があります。

C.先着案内の対象となる種別 

特急や快速特急は終点まで先着することが前提であるため、先着案内はなされません。
快速急行(通勤快急)・急行以下の種別で自列車や他列車に対する先着案内があります。

放送に使用される音声パーツ

連絡案内は、「〈駅名〉で、〈種別〉に、連絡します。」が最も簡単な案内になります。これに、「始発駅」(〈駅名〉発の)や「行先」(〈駅名〉ゆきに)が合わせて案内される場合があります。この条件は、後ほどご説明します。
先着案内は、「〈駅名〉には、この電車が、先に到着します。」または「〈駅名〉には、〈種別〉が、先に到着します。」が最も簡単な案内です。こちらも、「始発駅」や「行先」が合わせて案内されることがあります。

これら音声パーツは、システムによって若干異なりますが、基本的に案内の内容は同じです。

関連→京阪電車 駅自動放送の当サイトでの呼称方法について

連絡列車の始発駅や行先が案内される条件

大雑把にいってしまえば、乗客にとって都合が良くなるときは始発駅や行先が流れ、逆に不都合になるときは、これらは流れません。ただし、これだけではあまりにも抽象的ですから、具体的な例を交えてご説明します。なお、「流れる」/「流れない」の直後の●はその理由についての推測です。主に乗客目線で考えています。また、の表記がある場合、YouTube内に実際の音声が収録されています。

1.「始発駅」について (YouTube 8:50〜)

A.上位種別が下位種別に連絡するとき
→原則(※)ありません。●わざわざ手前の駅から、遅い電車に乗る人は通常想定しません。

B.下位種別が上位種別に連絡するとき 
→次の条件のもと流れます。(例外(※)あり)
・案内を行う駅が、連絡する列車の始発駅よりも手前であること。
・案内を行う駅が、連絡する列車種別の停車駅であること。
※上記全てを満たしている必要があります。
●案内を行う駅を通過する種別の始発駅を案内したところで、乗客にとって大したメリットはありません。

【例】〔 駅名 〕は案内が流れている駅です。〔 種別 〕は案内が流れている列車の種別です。
〔 香里園 〕:〔 普通 〕丹波橋で、淀発の、急行に、連絡します。

※例外があります! 
A・Bともに、京橋で、「淀屋橋発」の列車と「中之島発」の列車が連絡するとき、下位種別との連絡でも始発駅が流れます(流れる場合が多いです)。

【例】〔 駅名 〕は案内が流れている駅です。〔 種別 〕は案内が流れている列車の種別です。
〔 淀屋橋 〕:〔 快速急行 〕京橋で、中之島発の、各駅停車に、連絡します。

2.「行先」について (YouTube 7:11〜)

◆「行先」に関する情報は基準が曖昧であり、駅によっては例外が多数ある可能性があります。決して信憑性の高い情報でないことをご了承ください。

A.上位種別が下位種別に連絡するとき 
→次の条件のもと流れます。
・連絡する列車の行先が、自列車の停車駅でないこと。
・連絡を行う駅以降(連絡相手の行先駅まで)に、どの列車にも連絡しないこと。
※上記全てを満たしている必要があります。
●これは、誤乗を防ぐためだと考えられます。
※画像もご参照ください。

【例】〔 駅名 〕は案内が流れている駅です。〔 種別 〕は案内が流れている列車の種別です。
〔 出町柳 〕:〔 快速急行 〕丹波橋で、各駅停車、淀ゆきに、連絡します。

B.下位種別が上位種別に連絡するとき 
→次の条件のもと流れます。
・連絡する列車の行先が、自列車と異なること。
・連絡を行う駅が、自列車の終点でないこと。
・連絡を行う駅以降(自列車の行先駅まで)で、同じ行先の上位種別に連絡しないこと。
※上記全てを満たしている必要があります。
※画像内の例をご参照ください。

おわりに

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。大変マニアックな話でお疲れの方もいらっしゃるかと思います。この手の解説は言葉にするのが非常に難しく、動画制作・記事作成ともにイラストやイメージ図を多用しての解説となりました。そのため、動画投稿は予定より1週間も遅れてしまい、申し訳ございませんでした(実は素材の都合ですが…)。分かりにくい点など多々あるとは存じますが、暖かい目でお読みいただけたなら幸いです。ご不明な点は、「お問い合わせ」よりお気軽にお問合せください。できるだけ分かりやすくご説明いたします。また、この記事・動画を制作するにあたり、他の方のYouTubeやTwitterを数多く参考にさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

この記事の他に「音鉄レポート」も投稿していますので、お暇な時にぜひご覧ください。ありがとうございました。